更新日:2024年10月23日 | Rinko
家庭用の太陽光発電システムに蓄電池を後付けする際の価格について詳しく知りたい方へ。
定置型、ハイブリッド型、ポータブル型の3つの主要なタイプに焦点を当て、それぞれの特徴と価格帯を比較します。
最適な蓄電池を選ぶための情報を提供しますので、ぜひ参考にしてください。
とりあえず、太陽光発電だけはつけたけど、蓄電池は設置していない。太陽光発電を考えているけど、一緒に蓄電池をつけることを検討している方は参考になるかと思います。
「失敗した!」「後につければよかった!」「一緒につければよかった!」とならないように、検討してみましょう。
太陽光発電と後付け蓄電池の価格について
家庭での太陽光発電と蓄電池の組み合わせは、エコな生活を実現するための魅力的な選択肢となっています。その価格に関する情報を詳しく解説します。
蓄電池の種類と価格の違い
蓄電池にはいくつかの種類があり、それぞれの特徴や価格帯が異なります。
家庭用蓄電池を選ぶ際の種類と価格相場をわかりやすくまとめました。kWhは、1時間あたりの電気使用量を表します。蓄電池の種類によって、値段が違います。
蓄電池の種類:
- リチウムイオン: これが最も一般的で、家庭でよく使われています。
- 鉛: 古くから使われている種類の一つです。
- NAS: 熱を利用して電気を蓄える方式です。
- ニッケル水素: 環境にやさしいとされる蓄電池です。
価格相場:
- リチウムイオン: 13〜20万円/kWh
- ニッケル水素: 10万円/kWh
- 鉛: 5万円/kWh
- NAS: 4万円/kWh
リチウムイオン蓄電池が家庭での使用に人気ですが、原材料や製造のコストが高いため、価格も高めです。自分の家のニーズや予算に合わせて、最適な蓄電池を選びましょう。長持ちするのか?ランニングコストやメンテナンス代金、工事費用などをみていきましょう。
容量による価格の違い
蓄電池の容量によっても価格は異なります。一般的に、容量が大きいほど価格も高くなります。しかし、必要な容量は家庭の電気使用量や太陽光発電の発電量によって変わるため、適切な容量を選ぶことが大切です。
価格相場:
- 1kWh: 15〜21万円 (工事費込み)
- 4kWh: 60〜84万円
- 5kWh: 75〜105万円
- 7kWh: 105〜147万円
- 10kWh: 150〜210万円
工事費について:
- 一般的な目安: 設置工事は20〜35万円
- その他の費用: 配線工事やその他の経費も考慮すること
- 補助金: 補助金を利用して、費用を抑えることもできます。
蓄電池の容量が大きくても工事費は必ずしも高くならないので、自分の家の状況やニーズに合わせて選びましょう。あとで、容量が足りなくなった!失敗した!とならないように、まずはご自宅の電気使用量を検討してみましょう。太陽光発電をやられているのであれば、参考となる電子パネルがあるかもしれません。ないのであれば、電気使用量を測る商品があります。
太陽光発電に後付けできる蓄電池の種類とその特徴
太陽光発電を家庭で導入する際、どの蓄電池を選ぶかは非常に重要です。後付けできる蓄電池の主要な種類とそれぞれの特徴について詳しく解説します。
家庭用の蓄電池を選ぶ際、定置型蓄電池には大きく分けて2つのタイプがあります。それぞれの特徴を以下にまとめました。
- ハイブリッド型:
- 太陽光発電と蓄電池の機能が一つになったものです。
- さらに、室内や屋外に設置できるタイプがあります。
- 単機能型:
- 蓄電池だけの機能を持つタイプで、太陽光発電の機器とは別に設置が必要です。
- 専用の機器を使って電力を管理します。
定置型蓄電池を選ぶ際は、自宅の環境や必要な機能に合わせて、単機能型かハイブリッド型のどちらを選ぶかを検討することが大切です。加えて、太陽光発電とは連携できないポータブルタイプがありますが、こちらは検討に入りませんが、念の為以下に記載しておきます。
単機能型(定置型)の蓄電池とその特徴
家庭で最も一般的に使用されるのが単機能型の蓄電池です。この蓄電池は、主に家庭内での固定使用を目的としています。特に、停電時のバックアップ電源としての利用が考えられます。大容量で、一度充電すれば長時間の使用が可能です。しかし、移動や持ち運びは難しい点がデメリットとして挙げられます。
家庭用蓄電池を選ぶ際、単機能型の特徴を知ることで、自分のニーズに合った選択ができます。以下にその特徴をまとめました。
メリット:
- 電気を有効活用: 太陽光で発電した電気をうまく使えます。
- 住宅全体のバックアップ: 全負荷型は停電時も家全体の電力をサポートします。
- コスト: ハイブリッド型よりもお求めやすい価格で導入できます。
- トラブルのリスク低減: パワコン同士のトラブルが干渉しにくいです。
デメリット:
適してる設置場所:
- 広めのスペース: エアコン室外機よりも広い場所が必要です。
- 安定した環境: 大きな温度変化がなく、結露しない場所がベストです。
単機能型蓄電池は、太陽光発電との連携がスムーズで、初期コストも抑えられる一方、設置場所や出力に制限があることを理解して、自分のニーズに合わせて選びましょう。既に太陽光発電を設置済みであれば、この選択が良いかもしれません。ハイブリッド型と比較すると、変換ロスが高めの商品もありますので、注意が必要です。
ハイブリッド型の蓄電池とその特徴
ハイブリッド型の蓄電池は、太陽光発電だけでなく、他の発電方法との組み合わせも考慮されて設計されています。このため、効率的な電力供給が可能で、電力の安定性も高いです。また、一部のモデルには、移動や持ち運びも可能なデザインが採用されています。
家庭用蓄電池を選ぶ際、ハイブリッド型の特徴を知ることで、自分のニーズに合った選択ができます。以下にその特徴をまとめました。
メリット:
- 蓄電効率: 電気の変換ロスが少なく、効率的に電気を蓄えられます。
- 自立運転出力: 停電時にも多くの電力を供給できます。
- 設置スペース: パワコンが一つで済むので、場所を取りません。
- 災害対策: 災害時にも太陽光発電との連携がスムーズです。
デメリット:
- 導入費用: 他のタイプに比べて少し高めです。
- 互換性: 既設の太陽光発電システムと合う機種が限られます。
- 保証: 一部のメーカーでは、太陽光発電の保証が適用されなくなることがあります。
ハイブリッド蓄電池は効率的に電気を蓄えられる一方、導入費用や互換性に注意が必要です。自分の家の状況やニーズに合わせて、慎重に選ぶ必要があります。
変換ロスが少ないのがメリットです。太陽光発電を既に導入済みの方は、互換性を確認し、互換性があるものの中から選択することになります。
持ち運びができるポータブル型の蓄電池
アウトドアや非常時に非常に便利なのが、持ち運びができるポータブル型の蓄電池です。軽量でコンパクトなデザインが特徴で、必要な場所に持っていくことができます。しかし、容量は比較的小さく、長時間の使用には向いていません。
メリット:
- 持ち運び: どこでも使えるので、アウトドアや非常時に便利です。
- 価格: 他のタイプに比べて手頃な価格で手に入ります。
- 設置: 工事や特別な配線が不要で、すぐに使い始められます。
デメリット:
- 充電: 停電時には充電ができません。
- 容量: 小さいので、長時間の使用には向きません。
- 太陽光発電: 連携ができないため、節電効果は期待できません。
ポータブル蓄電池は手軽に持ち運びができる反面、容量が小さいので使用目的に合わせて選びましょう。家庭用タイプの蓄電池と検索すれば多くのメーカーのものがヒットします。ただし、太陽光発電とは連携することができないため、安いからと言って購入してから、「連携できないなんて知らなかった」とならないようにしましょう。
後付け蓄電池を取り入れる家庭のおすすめポイント
家庭での蓄電池の導入は、電気の使い方や生活スタイルに合わせて選ぶことが大切です。どのような家庭に蓄電池の導入がおすすめなのか、そのポイントを詳しく解説します。
電気を上手に使いたい家庭へ
蓄電池を導入することで、電気の使用をより効率的にすることができます。特に、ピーク時の電力使用を抑えたい家庭や、電気代を節約したい家庭には最適です。太陽光発電との組み合わせることで、昼間に発電した電気を夜間に使用することができ、電気代の節約に繋がります。
太陽光発電を活用して、家庭での電気をもっと賢く使いたい方へのアドバイスをまとめました。
効率的な電気の使い方:
- 蓄電池の後付け: 太陽光発電の電気を効率よく使うためには、蓄電池の導入がおすすめ。
- FIT制度の満了: FIT制度が終わる前に、自家消費を重視する使い方に変えるのが良い。
- 自家消費の推進: 電力会社からの電気の購入を減らし、電気代を節約するためには、自家消費を増やすことが大切。
蓄電池を導入することで、太陽光発電の電気を効率的に使い、電気代を節約できます。太陽光発電だけ導入されている方は、売電目的の方が多いです。ただ、FIT制度の終了に伴い、自家消費をメインにするケースが増えています。蓄電池は災害時に役立つことはもちろん、自家消費のために蓄えておくことができるため、導入される方が多いです。
家にいる時間が少ない家庭の場合
家にいる時間が少ない家庭では、蓄電池の導入によるメリットが限られるかもしれません。しかし、非常時のバックアップ電源としての役割を果たすことができます。また、家を空ける時間が長い場合、発電した電気を蓄電池に保存しておき、帰宅後に使用することも可能です。
蓄電池の必要性に関する考え方:
- 共働きの世帯: 二人とも外での勤務が多い場合、家での電気の使用時間が短いかもしれません。
- 高齢者や小さい子どもがいない: 家にいる時間が少ない場合、電気をたくさん使うことは少ないでしょう。
- エネルギー消費量が少ない: 家での活動が少なければ、電気の使用量も少なくなります。
家での過ごし方や生活スタイルによって、蓄電池の必要性は変わってきます。電気を多く使えば使うほど、蓄電池のメリットは大きくなります。費用対効果を考えると蓄電池の初期費用やランニングコストが毎月の金額に加算されるので、「あまり使わない」のであれば、それだけメリットが減ってしまいます。
毎月の電気使用量を検討した上で、検討することが大切です。中には訪問販売で、あまり電気を使わない家庭に売り込みをかけてくる営業マンもいます。「災害時に便利だから」「電気代が安くなるから」という内容です。
電気代が安くなることに関しては、どれだけ使えば、トントンになるのか?総合的に試算しましょう。
まとめ:太陽光発電に蓄電池を後付けする価格と比較
太陽光発電と蓄電池の組み合わせは、エコロジーと経済性を追求する家庭にとって魅力的な選択肢となっています。その価格や比較ポイントについて詳しく解説しました。
太陽光発電と蓄電池の組み合わせを考える際、まず気になるのがその価格です。近年、技術の進化と普及により、価格は徐々に下がってきています。しかし、選ぶ蓄電池の種類や容量、メーカーによって価格にはバラつきがあります。
蓄電池の選び方一つで、価格や性能に大きな違いが出ることがあります。例えば、大容量の蓄電池を選ぶと、初期投資は高くなりますが、長期的には電気代の節約が期待できます。逆に、容量が小さめの蓄電池は、初期投資は抑えられますが、使用量によっては電気代の節約効果が薄れることも。
太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、昼間の発電電力を夜間も利用することができます。これにより、電気代の節約はもちろん、非常時のバックアップ電源としても活用できます。
太陽光発電と蓄電池の組み合わせは、初期投資と運用コストをしっかりと比較し、自分の生活スタイルや家庭の電気使用状況に合わせて選ぶことが大切です。適切な選択をすることで、快適で経済的な生活を実現することができます。
太陽光発電を義務化しようとする動きが高まっており、最終的には日本全国の新築などに対して適用される可能性があります。太陽光発電を導入されているのであれば、義務化してから導入しても良いかもしれません。なぜならば、補助金が多く出るようになるからです。
蓄電池は災害時に役に立ったり、電気代が安い夜間に充電したりと、SDGsに貢献します。蓄電池もまた補助金の対象となるものもありますので、総合的に検討しましょう。なお、補助金が出るからと言う理由だけで購入するのではなく、太陽光発電、月間電気消費量、蓄電池の金額など相対的な判断をすることをおすすめします。
私は、家庭用蓄電池の選び方の専門家として、数社に渡るメーカーの営業担当としての合計で8年以上の経験を持ちます。太陽光パネルの容量や停電時の生活スタイルは蓄電池の選び方に大きく影響します。長ければ15年以上も使用可能性がある蓄電池です。いざという時に役に立たない!ということがないようにバランスよく蓄電池を選び、日常生活と非常時の両方で安心して生活するためのアドバイスを提供します。将来のライフスタイルやコストも考慮に入れ、真の意味での最適な選択をサポートします。