更新日:2024年10月23日 | Rinko
家庭用蓄電池を選ぶ際、最も気になるのは「電気代」。蓄電池の電気代シミュレーションを活用すれば、いつ充電するのが最もお得かが一目瞭然。
この記事では、電気代を節約するための最適な充電タイミングや、蓄電池の効果的な活用方法について詳しく解説します。家庭用蓄電池を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
蓄電池の購入を検討する時に、「どのくらいお得なのか?」がわからないと購入に踏み切ることはできません。「買ってよかった」と思えるように最初にシミュレーションしておくことが不可欠です。業者を呼んで一つ一つ話をする時間はない場合は、ざっくりシミュレーションをしてみることをおすすめします。
家庭用蓄電池の注目ポイント
家庭用蓄電池の選び方を考える上で、まずは現在の蓄電池のトレンドや注目されているポイントを理解することが大切です。このセクションでは、蓄電池がなぜ注目されているのか、その背景や理由を詳しく解説します。
なぜ今、蓄電池が人気なの?
最近、多くの家庭で蓄電池の導入が進んでいます。その背景には、電気代の上昇や防災意識の高まり、さらには政府のサポートが影響しています。特に、自然災害が増える中での停電対策として、蓄電池の重要性が再認識されています。
また、この増加の背景には、固定価格買取制度の終了や太陽光発電の自家消費の重要性など、さまざまな要因が考えられます。
- 2019年度の蓄電池の出荷数は36万3,867台。
- 2012年度から7年で蓄電池の出荷数は35万台増加。
- 固定価格買取制度(FIT)の調達期間は10年。
- 卒FITにより、売電単価が低下する可能性。
蓄電池の導入は、太陽光発電の自家消費を増やし、電気代の節約に繋がるため、今後も多くの家庭での導入が期待されます。自然エネルギー、再生可能エネルギーの利用を強化する動きがあり、持続可能な社会を目指して、多くの取り組みがあります。
電気代が上がってきているから
電気代の上昇は、多くの家庭の悩みの一つ。蓄電池を導入することで、電気代を節約することが期待できます。実際、蓄電池を活用することで、ピーク時の電力使用を抑えることができ、電気代の削減に繋がります。以下のようなポイントがあります。
- 原子力発電所の廃炉にかかる費用が増加。
- 国内の原子力発電所の半数近くが廃炉予定。
- 環境問題への対応が電気代の上昇要因。
- 蓄電池の導入で電気代を節約可能。
電気代の上昇を抑えるためには、蓄電池を活用して自家消費を増やすことが効果的です。電気を生み出す他の発電技術は進歩を見せようとしていますが、未だ確定的に新しいものが出るとはなっていません。段階的に増えていくと思われますが、10年以上はかかるだろうと予想しています。その間、蓄電池を上手に使い、電気代を安くしようとする家庭が増えています。
みんなの防災意識が高まっている
近年の大きな自然災害を受け、防災意識が高まっています。停電時でも電気を確保できる蓄電池は、安心・安全な生活をサポートします。特に、災害時のライフラインとしての役割が期待されています。
近年、日本全国で大規模な停電が多発しており、これが人々の防災意識を高めています。特に記憶に新しいのは、2011年の東日本大震災と2019年の台風による停電です。これらの経験から、蓄電池の導入が防災対策として注目されています。
- 2011年の東日本大震災では466万戸が長期間停電。
- 2019年の台風では関東地方で93万戸が2週間以上停電。
- 蓄電池の導入が防災対策として注目されている。
蓄電池を導入することで、停電時でも安心して生活できるようになります。真夏や真冬に停電すると、命を脅かすほどの危険になりかねません。高齢者の方や小さいお子さんの方はより深刻な問題となりえます。日頃から防災意識を持っている方が、蓄電池の導入検討をされています。
政府のサポートがあるから
政府は、再生可能エネルギーの普及を目指して、蓄電池の導入をサポートしています。補助金や税制優遇など、さまざまな制度が用意されており、これが家庭用蓄電池の導入を後押ししています。
日本政府は環境問題への対応として、さまざまなエネルギー源の組み合わせを推進しています。特に、再生可能エネルギーの普及が重要視されており、家庭での太陽光発電や蓄電池の導入が増えています。
- 日本政府は「エネルギーミックス(3E+S)」を推進。
- 2018年の再生可能エネルギーの電源構成比率は6.9%。
- 2030年までに再生可能エネルギーの比率を22%~24%に増やす目標。
再生可能エネルギーの普及と蓄電池の導入は、環境保護と電力自給のための重要なステップです。政府の優遇制度を使って、上手に導入し家庭の負担を減らす、その上で環境保護に役立つということで蓄電池が注目を集めています。
家庭用蓄電池の魅力
蓄電池の導入を考える際、最も注目されるのはその経済的な魅力です。電気代の節約はもちろん、どの時間帯に充電するのが最もお得かなど、蓄電池の活用方法によってさらなるメリットを受けることができます。特に、電力会社の料金体系を理解し、ピーク時以外に充電することで、電気代を削減することが可能です。
昼と夜、電気代の違いって?
昼間と夜間の電気代は異なります。多くの電力会社では、夜間の電気代が昼間よりも安価に設定されています。この料金差を利用して、夜間に蓄電池を充電することで、電気代を節約することができます。
昼間と深夜の電気料金は異なり、深夜の方が一般的に安いです。適切なプランを選ぶことで、電気代を節約することができます。蓄電池を利用すると、さらにお得になる可能性があります。
- 深夜の電気料金は昼間よりも安い。
- 東京電力エナジーパートナーの「夜トク8」の深夜単価は21.16円/kWh、昼間単価は32.74円/kWh。
- 昼間の電気使用量が少ない家庭は、深夜電力を利用して節約できる。
- 蓄電池を使って深夜電力を蓄えると、さらに電気代を節約できる。
深夜電力ってどうしてお得なの?
電力の供給量は時間帯によって変わり、昼間の活動量が多いため供給量も多くなります。一方、深夜は活動量が少なく、供給量も少なくなるため、電気料金の単価が安く設定されています。電力会社は深夜の電力使用を促進するために、単価を安くしています。
- 昼間の電力供給量は深夜よりも多い。
- 深夜の電力供給能力には余裕がある。
- 電力会社は深夜電力の使用を促進するために単価を安く設定。
- 電力会社ごとに深夜電力の単価が安くなる時間帯は異なる。
- 電気代削減のためのプランを選ぶ際は、詳細をよく確認することが大切。
深夜の電力使用を増やすため、電力会社は深夜電力の単価を安く設定しており、これを利用することで電気代を節約することができます。例えば、夏場は太陽が見えない分、エアコンの使用が減り電気代が減ります。単純に多くの方が就寝されているので、活動されていない分、電気が使われていないことになります。
電気代、どれくらい安くなるの?
日本の各地域での電力会社ごとに、昼間と夜間の電気料金の単価が異なります。夜間の時間帯に電気を使用することで、電気代を節約することができるプランが各電力会社には用意されています。
- 東京電力:夜トクプラン(夜トク8) 昼間32.74円、夜間21.16円(23時~翌7時)→ 35.4%割引
- 四国電力:時間帯別eプラン 昼間31.98円、夜間14.49円(23時~翌7時)→ 54.7%割引
- 関西電力:はぴeタイムR 昼間28.96円、夜間15.20円(23時~翌7時)→ 47.5%割引
- 九州電力:電化でナイト・セレクト21 昼間26.84円、夜間13.21円(21時~翌7時)→ 50.8%割引
- 北海道電力:eタイム3プラス 昼間40.67円、夜間14.63円(22時~翌8時)→ 64.0%割引
- 東北電力:よりそうプラスナイト8 昼間34.83円、夜間11.12円(23時~翌7時)→ 68.1%割引
- 沖縄電力:時間帯別電灯 昼間35.31円、夜間12.5円(23時~翌7時)→ 64.6%割引
- 中部電力:スマートライフプラン 昼間38.71円、夜間16.30円(22時~翌8時)→ 57.9%割引
- 中国電力:ナイトホリデーコース 昼間40.96円、夜間18.21円(21時~翌9時)→ 55.5%割引
- 北陸電力:くつろぎナイト12 昼間34.94円、夜間12.50円(20時~翌8時)→ 64.2%割引
夜間に電気を多く使用する方には、各電力会社の夜間割引プランを利用することで、電気代を大きく節約することができます。上記は例です。お使いの電力会社が夜間はどの程度の割引があるのか?を調べてみることをお勧めします。
蓄電池を使った場合の電気代をシミュレータでチェック!
家庭用蓄電池を導入する際、電気代の節約効果を具体的に知りたいと思う方は多いでしょう。電気代シミュレータは、その答えを手に入れるための最適なツールです。
電気代シミュレータを使用すると、自宅の電気使用量や蓄電池の容量に応じた電気代の見積もりを簡単に取得することができます。まずは、自宅の平均的な電気使用量や蓄電池の容量を入力し、シミュレーションを開始します。
電気代シミュレータの最大のメリットは、具体的な電気代の節約額を知ることができる点です。また、複数の蓄電池の容量やブランドを比較することで、最もコストパフォーマンスの良い蓄電池を選ぶ手助けとなります。
以下は、蓄電池を使った場合の電気代のシミュレーターのサンプルです。
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- オムロンの蓄電池システム選び シミュレーション
- オムロンのシミュレーションツールは、お客様のライフスタイルや家電の消費電力を元に、最適な蓄電池システムを提案します。太陽光発電設備の有無に応じて、試算が行えます。
- 京セラの太陽光発電シミュレーション
- 京セラのシミュレーションツールは、太陽光発電の効果や節電効果を試算できるツールです。具体的な設置場所や条件に応じて、発電量や節電効果をシミュレーションすることができます。
- シャープの太陽光発電・蓄電池シミュレーション
- シャープのシミュレーションツールは、太陽光発電と蓄電池の組み合わせによる発電量や節電効果を試算できるツールです。
- オムロンの蓄電池システム選び シミュレーション
蓄電池選びのコツ
家庭用蓄電池を選ぶ際、ただ単に容量や価格だけで選ぶのではなく、自分の生活スタイルや家電の使用状況に合わせた選び方が大切です。このセクションでは、蓄電池選びの際のポイントを詳しく解説します。
1年間の電気代、しっかりチェック
蓄電池を導入する目的の一つは電気代の節約。そのため、まずは1年間の電気代をしっかりとチェックし、どれだけの節約が期待できるのかを確認しましょう。年間の電気代を知ることで、蓄電池の回収期間や経済的なメリットを具体的に把握することができます。
- 季節によって電気代が変わることを考慮する。
- 夏はエアコン、冬は暖房の使用で電気代が増加。
- 1か月分の電気代を12倍しても、正確な年間の電気代は出ない。
- 検針票や支払い明細から、月ごとの電気代を確認。
- 年間の電気代を計算する際、最大使用月や最小消費月を参考にする。
- 正確な電気代の知識で、家庭に合った蓄電池を選ぶ。
年間の電気代をしっかりと把握することで、家庭に最適な蓄電池選びができるようになります。現在は便利なアプリがあり、1年を通して電気代が記録される機能があるものもあります。紙ベースでチェックすると時間がかかるので、アプリの導入を検討し、1年間使ってみることをお勧めします。
使っている家電のことを考えよう
家庭で使用している家電の種類や消費電力を考慮することで、最適な蓄電池の容量を選ぶことができます。家電の使用状況を正確に知ることで、無駄な電力を消費することなく、効率的に蓄電池を活用することができます。
- 電気を使用する時間帯を確認。
- 昼間の電力消費が多い場合、深夜電力を蓄電池に蓄える。
- 夜間の使用が多い場合、大容量の蓄電池は必要ないかも。
- 使用する家電の消費電力をチェック。
- 蓄電池の出力できる最大量も考慮。
- 同時に使いたい家電の数を把握。
電気の使用時間帯と家電の消費電力をしっかり確認することで、家庭にぴったりの蓄電池を選ぶことができます。1年を通して、しっかりと検討する必要があります。また、家電を買い替えると消費電力が下がるものもあるため、古すぎる家電は買い替えた方がお得です。
太陽光発電がない場合は、夜間の消費の方が多い家庭は存在します。自宅はどうなのか?を考えて検討しましょう。
停電時、どの家電を使う?
停電時に必要な家電を事前にリストアップしておくことで、緊急時にも安心して過ごすことができます。停電時の家電使用計画を立てることで、蓄電池の容量を適切に選ぶことができ、安心して生活することができます。
蓄電池を選ぶ際、停電時にどの家電を使いたいかを考えることが大切です。特定負荷型と全負荷型の蓄電池にはそれぞれ特徴があり、自分のニーズに合わせて選ぶことがおすすめです。
全負荷型の蓄電池の特徴とおすすめの家庭
- 家全体で電気を利用可能。
- オール電化の家に適している。
- 二世帯家族の家。
- 空調が必要な動物がいる家。
- 小さい子供がいる家。
- 停電時も通常通り過ごしたい家。
- 太陽光発電設備を導入している家。
特定負荷型の蓄電池の特徴とおすすめの家庭
- 全ての部屋で使えるわけではないが、長く電気を利用可能。
- 1世帯家族や少人数の家に適している。
- 特定の部屋や機器だけで電気を利用したい家。
- 停電時でも最低限の電気があれば良い家。
- 空調を気にしない動物がいる家。
停電時にどの家電を使いたいかを明確にし、それに合わせて特定負荷型か全負荷型の蓄電池を選びましょう。広すぎる家の場合は、全体をカバーするには費用が足りない場合は、家によっては、特定の部分だけの蓄電池の設置も可能です。一般的には全負荷型を採用する家庭が多いようです。
これからの生活も考えて選ぼう
家族構成の変化やライフスタイルの変動を考慮して、将来的な電力需要も予測しましょう。将来の生活スタイルを考慮することで、長期的に蓄電池を効果的に使用することができます。
- 蓄電池の寿命について
- 一般的に15年~20年とされる。
- この期間中に家族の構成や生活環境が変わることが多い。
- 家族構成の変化と電気の使用量
- 子どもが生まれると、ベビーモニターや哺乳瓶消毒器などの家電の使用が増える。
- 子どもが大学生になり1人暮らしを始めると、家の電気の使用量が減るかもしれない。
- 親と同居すると、家の中での電気の使用量が増える可能性がある。
- ライフステージの変化を考慮する理由
- 家族の増減や生活環境の変化により、必要な電力量や使用する家電が変わる。
- 蓄電池の容量や機能を選ぶ際に、これらの変化を考慮することで、長期的に適切な選択ができる。
蓄電池を選ぶ際は、現在の生活だけでなく、将来の家族の成長やライフステージの変化も考慮し、最適なものを選びましょう。同居の家族が減る可能性、同居の家族が成長し電気を多く使うようになる可能性を考慮しましょう。例えば、女性が多いご家庭は、ドライヤーなどの熱を発する電気機器を使用する傾向にあります。
まとめ:蓄電池の電気代シミュレーションの大切さ
家庭用蓄電池を選ぶ際、電気代のシミュレーションは非常に重要なステップとなります。このシミュレーションを行うことで、将来的な電気代の節約額や蓄電池の効果を具体的に知ることができます。
家庭用蓄電池を導入すると、電気代の節約はもちろん、環境への貢献や停電時の安心感など、さまざまなメリットがあります。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、電気代のシミュレーションが欠かせません。このシミュレーションを行うことで、どれだけの電気代が節約できるのか、また、どのような蓄電池を選ぶべきかが明確になります。
蓄電池の電気代シミュレーションは、家庭用蓄電池を導入する際の重要な判断材料となります。できるだけ正確なシミュレーションを行うことで、家庭の電気代を効果的に節約することができるのです。
購入してから、容量が足りない、太陽光発電を先に考えるべきだった、耐用年数が足りず費用が増加してしまったなどの問題が起こらないように検討を重ねることが大切です。
家庭用蓄電池の選び方や使用方法には、多くのポイントがありますが、電気代のシミュレーションを行うことで、最適な選択をする手助けとなります。これから蓄電池を導入しようと考えている方は、ぜひこのシミュレーションを活用して、賢い選択をしてください。
私は、家庭用蓄電池の選び方の専門家として、数社に渡るメーカーの営業担当としての合計で8年以上の経験を持ちます。太陽光パネルの容量や停電時の生活スタイルは蓄電池の選び方に大きく影響します。長ければ15年以上も使用可能性がある蓄電池です。いざという時に役に立たない!ということがないようにバランスよく蓄電池を選び、日常生活と非常時の両方で安心して生活するためのアドバイスを提供します。将来のライフスタイルやコストも考慮に入れ、真の意味での最適な選択をサポートします。